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真
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女性
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読書だったり飲酒だったり。
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2013年今日は。
札幌あたりで養蜂やったり酒飲んだり本読んだりアニメ見たりしています。 SFが好きです。 今年はもうちょっと、言葉を大事にしようと思います。
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Title : エイガの感想。
いい天気。
暑くなる二歩くらい手前の、春のこの空気が堪らん。 湧く。 しかしお天気は下り坂だそうな…。 前に「一エントリ一タイトルで感想書く」とか云ってましたが。 やっぱ無理。 あっさり。 いつまでもかきゃーしないしさ。忘れちゃうよ。 と云うことで、映画の感想。 ・ヴェルヘナー・ヘルツォーク監督『バッド・ルーテナント』 …ファンの方には申し訳ないのですけど、私、ニコラス・ケイジって結構嫌いなのです。 この人が画面にいると、何かどうも、顔を見ただけで笑ってしまって、映画に全然集中出来ないと云うか。 演技の感じもなんだかな〜と思ってしまうし。 なので、あんまし数は見てないのですが…。 今回の映画で、ちょっと見直した、と云うか、好きになりました。ちょっとだけ。 タイトルは「悪徳警部(補?)」と云う意味らしいんですが…。 いる。 確かにいる。 こういう、自己矛盾は全然感じてなくて、だけど、端から見たら矛盾だらけだし本当に迷惑な正義感やら価値観やらで独善的に動く、心底迷惑なオヤジが。いますよ。 まあオヤジに限らずですけど。しかも自分がそうじゃないとは云えないですけど。 ニコラス演じるテレンスは、警察官なのにドラックでラリラリしながら一般市民に銃を突きつけながら脅したり、押収品ののドラックを横領したり、果てはギャングに手を貸したりして、本当に屑っぷりを発揮するんですが、全然、悪びれた所は無くて、本人は必要があってそうしている心づもりと云うか、そうすることが最良で、自然なことだと思っているようで、一瞬でも良心の呵責を憶える様な素振りは見えない。 まるで、自分にはそうする権利が保障されているかの様な立ち振る舞い。 そうした彼の行動が、少しずつ色々なとこへ影響して、物語は動き出すのですが…。 いやあ、ね、この役にね、ニコラスが本当によく合っているんですよ。 武器商人の役を演じた『ロード・オブ・ウォー』よりももっと純粋に屑、と云うか、もっと自分自身に忠実と云うか。 これだけ揺るぎなく自分を信じていられるテレンスに、ちょっと憧れまでも抱いてしまう。 なんか本来は忌避すべき人物なのに、段々可愛く見えて来てしまうのは多分、ニコラスのあのハの字の眉毛とぶっ叩かれたラクダみたいな瞳のせいでしょう。 私が見た彼の映画の中で、役と本人の(私が持っている彼に対するビジュアル的な)イメージがこんなにぴったりな映画は初めてです。 面白かったです。 あと、ラリラリしてる時に出て来たイグアナとのツーショットも本当に良かった(笑)。 ・クリント・イーストウッド監督『インヴィクタス』 正直、見るの気が重かったんですよこれ…。 だって南アですよ。マンデラさんですよ。アパルトヘイトですよ。 マンデラさんが解放されて、市民に選ばれて大統領になって、それからのお話ですよ。 『グローリー』『遠い夜明け』『マルコムX』とかで号泣した私が見たら、泣かされるに決まってるんですよ。(ところで、この三つの映画に共通している俳優さんは誰でしょう) 今回のこれも、絶対びやーっと泣いちゃうに違いない、と思って臨んだのですが…。 全然そんなことはなかった。 寧ろものすごくあっさりしていて、ちょっと拍子抜けするくらい。 この映画に関しては、これ以上無いってくらいのすごい評をしている人がいるので、正しい評はそちらを聞いて頂くとして…(シネマハスラー。 私がこの作品を見て思ったことを簡潔に。 ・…評価をするのに難しい映画だな。 ・マンデラさんが過去の悲劇に捕われずに(27年間も拘留されてたのに!!)、これからのことを考えましょうと云っているせいか、人種間の確執など非常にあっさり表現されているな。 ・未来を担うべき子どもに、やっぱり負の感情は似つかわしくなくて、彼らには良い思いが沢山必要なのだ。 この三点くらいでしょうか。 何と云うか、これは見て頂きたいですね。是非とも。 見て、色々それぞれに考えて感じてもらいたい様な。そう云う映画でした。 色々な方に感想を聞きたい、と云う、またそう云う意味でも希有な作品です。 あと、やっぱオールブラックスのハカ、超格好いいです。あれを劇場で見れるなんて思ってもいなかった…。 ・キャスリン・ビグロー監督『ハート・ロッカー』 史上初の女性監督がアカデミー監督賞を受賞したことでも話題の作品ですが。 これ、凄い。凄まじいです。 戦場が日常、と云う、非日常。 『戦場でワルツを』の時に、戦争は日常の延長で、みたいなことを書きましたが、この映画を見ると、やはり戦争って云うのは現実離れしたと云うか、人として生活をするのに重要な何かが甚だしく乖離したことなんだ、と思わざるを得ないと云うか。 でも、そこでも、暮らしていたりするのは紛れも無い「人」なのであって…。 毎日毎日、自分の命をかけた神経衰弱みたいな生活って、送れますか? 私は無理だなあアアアっっ!! あっと云う間に銃を銜えて引き金引きそうです。 でも、実際そう云う場所で生きている人々がいて…。 私、こう云う映画を見る度に思うのですが、実弾の入った銃を他人に向けて、その後正気でいられるのだろうか、と云う。 一度でも引き金を引いてしまったら。 なんだかんだ云って、自己を正当化できちゃうのだろうか。 できてしまうのかもしれないなあ…。逆にせざるを得ないかもしれないなあ。 すぐにでも苦しみから逃れようとするか(自分に向けて引き金を引く)、か、状況に積極的に慣れて自分の平穏を守る為にあらゆる障害を除こうとするか、のどちらかになってしまいそうです。 中々に、見ていて苦しくなる映画でした。 大体まあ、こう云った感じです。 云いたいことはまだまだあるような。 PR |
Title : 映画の感想:『戦場でワルツを』。
今年からタイトルに観た、或は読んだものの名前を入れる事にします。
判りやすく。 去年以前のは、一個のエントリに複数書いてるので、…それはそれ。 まあねー、読みやすくして誰がよ(略。最近ちょっと後ろ向き)。 大体晴れていた様な気がする。 寒い。まあこの季節はこういうもんだ。 年末に見た映画。 アリ・フォルマン監督『戦場でワルツを』 私は、現在の日本に生まれて、この年まで生きて来て、幸いにして戦争と云うものを体験した事が無い。 現実的に日本はこれからも未来永劫安全かと云うと、多分そんなことはないのだろうけど、戦争よりも、いつ来るか判らない地震の方が断然怖いし、圧倒的にそっちの方が身近に感じる。 戦争の体験を語る人も身近にはいなかった。 以前にも書いたが、私の通っていた小学校では夏休みになると原爆資料館顔負けの写真を見て回るという、平和学習があったのだが、それは単に写真を見るだけで、何か、生の声を聞くと云うのとは違っているように感じた。 今までにもいくつか戦争をテーマにしたドキュメンタリーや映画や小説なんかに触れる機会があったけど、その度に何かしら胸にくるものはあったし、憤りも感じたし、哀しくて申し訳なくて号泣したりもした。 だけど、やっぱりどこか遠くの出来事なのだと、どこかで安心を感じている自分も、確実にいる。 そういう、自分の平和な立場に安心も出来てしまっていた。 今回のこの映画は違っていた。 戦争は、特殊な事じゃない。 特殊な者だけがやっているわけでもない。 戦争とは、結局人と人とが殺し合うって行為にすぎないし、「やれ」と命じるのも人だし、何かしらのボタンを押すのも人だし、実際に銃を構えるのも人だし、その銃口の先にいるのも、人なんだ。 その人、になるのは、全然特殊な事じゃなくて、本当にちょっとした違いとかタイミングの話にすぎないってこと。 (事実、登場する人物は皆、戦争を体験して実際に従軍したのに、みんな普通の人で、今では普通に家族がいたりして生活してるんですよ。戦争にいく前も普通に生活してた訳だし。たまたま自分の兵役のタイミングで内戦が勃発して前線に送り込まれたと云う。みんな、ただの人なんです。だから、二十年経った今でも戦争と云う大きな影の影響を受け続けると云う事でもある) そういう、日常の延長上に戦争があるってことを、この映画を見て強く感じた。 見終わった後は物凄く辛くて、怖かった。 自分が信じていた「安全」が、脆く、実際は果敢ないものなんだと。 「人は人を殺してしまえる。 多分、それはそんなに特別なことではない。」 自分でも今更だとも思う。けれどもその事実が、辛くて辛くて、言葉が出なかった。 映画の構成も巧みで、ストーリーとしては、戦争中の記憶が欠落している監督自身の行動を探る為に色々な人に話を聞いて回るのだけども、そうやって監督と一緒に監督の記憶を遡る事で、観ているこちら側も知らず知らずのうちに同調してしまって、そこに用意されている、あのラスト。 誰が悪いとか良いとか、そう云うことではなくて。 一人一人、戦争というものに向き合うことをこの監督は、観客に強く求めているのではないかな、と思いました。 中々、この映画について感情的にならずに感想が書けないのですけど。 まあ、こう云った具合です。 |
Title : これでも一杯一杯です。
引き続きまして。
あー頭がぼーっとするのは風邪のせいではなくて。多分。 久々の、読書感想。 ちょっと前に読んだ本。 トム・ロブ・スミス『チャイルド44』上下 …今ちょっと手元に無いんで、細かいアレとかできない(いつも出来てない、んですけど)のですが、まあそうしたものとして。なんだ。 いやまあどうなんでしょう。面白かったと云えば面白かったですけど。 うーん、正直引っかかる部分もあった。 ソ連の政治体制には色々問題があった事はきっと事実なんでしょうけど、そのことを、体制の外側の人間がさも、内実はこうだった、と云う感じで描くのって、プロパガンダ臭が凄くします。 いやまあそんなこと云うと、何も書けなくなる訳ですけど、これだけ読んで、「ソ連コワイ」って云うのは、何か違う感じがしました。 映画化でそう云うのがどういう風になるか。 あと、内容がスキャンダラスな感じに描かれているので、そっちに目が行っちゃって何となく見過ごしてしまいますが、ミステリとしてはあんまし大した事はないのかもしれません。 ちょっと引っ張らなくてもいい事で引っ張りすぎている感も。 よくも悪くも、娯楽作、と云う、私の中の位置づけです。 私にとっての読書は、娯楽以外の何者でもないのですけど。 割と最近読んだ本。 遠田潤子『月桃夜』 今年のファンタジーノベル大賞受賞作。 新潮社のこの賞は、時々私が凄く好きになる作家(と云っても、今の所約二人しかいないが)が出てくるので、ちょっと気にしている。 そうした事で、読んでみました。 私にしては苦手な恋愛もの、と云う事でしたが、そんなに気にならなかった。と云うか、そう云うことは忘れがちでした。 面白かった。 しかし中々に感想が述べにくいよ…。あまりの感想の述べにくさに思わずキーボードの掃除など唐突に始めてみたりしてしまいました。 うーん。えー。 すごく、哀しいお話なのかもしれません。 かなしい。やるせない。しかし、その気持ちは、自分の中に自分の事として置き換える事ができない、と云うじりじりする様な腹立たしさ。なんて云うんだっけこう云う気持ち。あー。 登場人物と、共感出来なかったと云ってしまえばそれまでなのかもしれないけど、単純にそれだけでもないのです。 なんだろう、この距離感。 ただ観ているだけしか出来ない、と云うこの気持ち。 そうした感情がじわじわ起きる、物語でした。 人の、感情のすれ違いそれにまつわる悲喜交々、寄り添ったり離れたり。 いや、まとめる必要は全然ないのだけど。 続けて読んだ本。 小田雅久仁『増大派に告ぐ』 同じく今年のファンタジーノベル大賞受賞作。 これは何か、タイトルに惹かれました。 帯に「賞始まって以来の問題作!」って散々あおってあるから、期待と何だかなあと云う気持ちを両方持ちながら読み始める。 面白かったです。 まあ、問題作程度で云うなら、期待したほどではなかったですが。 ラストの放り出されっぷりに関しては、拒否反応を示す人も結構いるかもしれない。 今、またどうやって感想書こうかなーって考えていた所、ふと、限りなくこの作品はライトノベルに近いのじゃないかと云う気持ちに。 でも違う。全然違う。カッコいい人は誰も出てこない。美少女も出てこない。剣も魔法も超能力も出てこない。あるのは自意識過剰と、そこから発生した妄想。 思春期から始まるあの気持ち悪くて恥ずかしい妄想に読者を巻き込んで行く、そう云った部分が私にライトノベルに似ていると感じさせたのかもしれません。 ただ、やっぱり全然違うと思った訳は、作者が明らかにその妄想の外側にいるからなのであって。それが最後のあの放り出しに繋がるのかも。 なんか自分で何云ってるのかよく判らなくなってきました(笑) 非常に巧くまとめてあるのが、ある意味癪です。 問題作と云うには、洗練されすぎていると云うか(まあ作家さん本人が云ってる訳ではないのでしょうが)。 多分、非常に力がある方だと思うので、これからまた新しい作品が読めると思うのですが、もっとこう、「そのまま」な作品を読んでみたいと思いました。 …って、なんで上から目線なんでしょうか私。すいません。 はあー。 久々に感想書いたら凄く疲れました。 何時間かかっているんだよ、と。 |
Title : 夏が始まらない。
とは云え、八月も下旬。
今日は晴れているな。雲も多いが。 暑くない。 もうあんまし暑くないよーーーー! えー、何故夏が始まらないのか。 本当はこのタイトルはもうちょっと前に思いついていたんですけど、何か色々だらだら過ごしているうちに遅くなっちゃった…。まあいいけど。 夏にまつわる映画をね、見に行こうとしていたんですよ。 それを二回見に行って、二回とも満席で完全なる無駄足を踏まされた訳ですよ。 二回も。 お盆時期になると都心は人口が減るので、と、油断していたせいでもあるのですけど、映画館に関しては予想を圧倒的に裏切る人出でした。 お目当ての映画だけでなく、他のタイトルも軒並み完売だったし。 なんたること。 このままじゃ夏が始まらないうちに終わっちゃうよ。 結局二度目の無駄足の時に予約は後日の分も出来ることに気づいて、漸く席を確保出来ました。 三度目の正直。 …いやもっと早く気づけと云う話ですが。 何を観たかと云うと、細田守監督『サマーウォーズ』 家の人に、「アニメには食いつきいいね」とかなんとか云われながら。 (基本的に「映画見に行こう」と云われても、3回に1回くらいしかうんと云わない私なので)ほっといてくれ。 で、漸く見に行けた訳ですが、その回もやっぱり満席でしたー。 すごいな。 映画の感想ですが、……。 …。なんかここまで書いといて感想云わないとか…。ダメですよね…。 かなり色々な方面で評価が高いのですが、正直私は、そこまでのものなのか、と思ったと云う…。 いやかなりよく作り込んであるなとは思いましたけど。 某ロボットアニメよりも全然音楽とかもセンスがいいと思いましたけど。 なんか、あんまり良さにピンと来れなくて、それを家の人に云うと、「この映画を素直に楽しめないなんて…、終わってるよ!!」みないなことまで云われる始末…。…ほっといてくれ。 なんか、最近暇に飽かして某2がつく掲示板のまとめとか読みあさっているせいか(…だから全然本が読めてない。他にも原因はありますけど。正直、自分でも如何なものかと思っている)、思考法が斜に構えているような感じがするんです。 (ネタばれ含みます。ご注意ください) お話の中で、大きな一つの問題に対して、ネットを通じて沢山の人が協力する、と云う構図そのものが「…まんま某電車氏とか某unix板神話とかだよね…」と、思っちゃったんです。 そうなってくると私のテンションもだだ下がりな訳で。 なんだかなー、と云う気持ちが拭えなくなってしまったと云う。 カタルシスの方向が予想出来てしまっては、あんまし楽しくなくなってしまう。 もしくは、作者が意図したのかどうかは判らないけど、別のものの形を見いだしてしまって、それからイメージが修正出来ないでいる、私が。 物語にがっかりした、と云うより、知らなくてもいい様なことばっかり知ってしまって、妙な具合に頭でっかちになってしまった自分を思い知らされて、がっかりしました。 なんかもうちょっと、色々大事にしたい気持ちが芽生えてきた。 具体的に自分が何を云わんとしているのかよく判ってないのですが(笑) 取りあえず、まとめ読むの止めようかしら…。 と云うことでした。 なんか全然感想になってない気がしますけど。 もう一回観たい。 なんかもう一回観るべきな気がしてきた! |
Title : 綱の上と、リングの上。場所は違えど。
シトシト降っている。
悪くない風情。暑くないから。 暑くなけりゃいいのよ。 映画を見ました。 ジェームズ・マーシュ監督『MAN ON WIRE』 三十年以上前、当時世界一高いビルだった世界貿易ビルの屋上で綱渡りをした男の物語。 当事者たちのインタビューと、残っていた当時のフィルムや写真を中心に、映像などがない部分は再現ミニドラマで補完した、ドキュメンタリー。だよね? 高い場所は平気ですか。 そこでちょっとバランスを試す様なことするの、平気ですか。 私は無理だー。高い所は意外に好きだけども。 本作の主人公フィリップ・プティは、イタズラ小僧がそのまま大きくなった様な人だと思った。 若い頃のフィルムの中、仲間たちとキャッキャと転げ回って遊んでいる姿はとても二十代とは思えない。体つきだけ見れば均整の取れた長い手足にしなやかな筋肉をがっしりまとって、マッチョな類いですらあるのに、やってることやくるくる変わる表情やキラキラの目は本当に子どもみたい。 …モテただろうな、とか俗なことを考えました。 で、結局色々やった結果ツインタワーに綱を張って綱渡りするわけですが。 ぞくぞくぞくぅ、としなたなあ。 残念ながら渡っている最中の様子は映像が残ってなくて、写真しかないのですけど。 それでもその場所の特殊さは十分に判るし、何より数年かけて計画したことが、その瞬間、実現している、と云う彼らの興奮が伝わってきて、その場にいる様な気持ちにさえなった。 このことを切っ掛けに、本人や協力者たちの人生は大きく変わって行くのだけど、でも、インタビューを受けている彼らの、当時を語っている顔は、すごくキラキラしてて、あの子どもたちは今もこの人たちの中にしっかりいるんだなあ、と思いました。 この映画の繊細にしてダイナミックな魅力は私のつたない文章では表現出来ないので、是非とも劇場で鑑賞していただきたいです。 もう一つ見ました。 ダーレン・アロノフスキー監督『THE WRESTLER』 八十年代、圧倒的スターだったあるプロレスラーの、今の物語。 主人公ランディを演じるのは、全盛期は日本でCMとかにも出てたのに、ボクシングで顔が崩れちゃって以降は色々大変だった、ミッキー・ローク。 本人のドキュメントか?と云うくらいはまり役。 痛いのは平気ですか。 みんなに楽しんでもらうのに、体を張って痛いことするの、平気ですか。 私は無理だー。細かいケガしてちょっと血が出てるの見るのは意外に好きだけども。 最初はなんかもう先入観が入りすぎてて、正直見に行くのが嫌だったんですよ、本当。 でも見てよかったなあ、と今は思ってます。 若い頃はあの、匂いたつ様な色気顔だったローク。(ほんとにね、酒とかタバコのCMが嵌り過ぎです。他に香水とかチョコとか、こう、エロく(笑)売るイメージのもの何でもOKだよな) それを知っていると、確かに今の容貌はショッキングではある。 でもねえ、なんだろうかねえそう云うのとはまた違ったセクシーさってのがやっぱりあって。 貧乏でなんだかちょっとチャランポランな所もある主人公ランディだが、かなりモテそうって(そればっかりだな今回…)。 家族を失い、健康も損ない、それでも、否だからこそリングに向かうランディ。 悲哀に満ち満ちてるんだけど、それをそこはかとなく優しく見せるのは作り手の愛情のなせる技なのか。 「ここが自分の居場所」って心底思える場所を見つけられることは本当に幸せなことだと思う。 たとえそれが、自分が愛した人のそばじゃなくても。選んだのは多分、自分自身なのだから。 世間一般から見たら、ウダツの上がらない姿なのだろう。 だけど、その自分自身の選択の結果を引き受けて行こうとする、強さも持ち合わせたランディの背中に、すごく胸にくるものがあった。 クライマックスシーンではずっと泣いてた(笑) プロレスをよく知っていて、とても大好きな作り手が、丁寧に作ったプロレスラーの物語。 このタイミングだと、どうしても先日亡くなった三沢のことが頭を過る。 日本のプロレスファンも、是非見た方がいいよ!と思いました。 以上の二作品。 図らずも「エッジ」に立つ、男の物語。その対照的なことにも驚きが。 |