冗長なだけのブログ。
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真
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女性
趣味:
読書だったり飲酒だったり。
自己紹介:
2013年今日は。
札幌あたりで養蜂やったり酒飲んだり本読んだりアニメ見たりしています。 SFが好きです。 今年はもうちょっと、言葉を大事にしようと思います。
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Title : 第572章8節d
茶色と朱色の大きな岩盤は、その細かく無数に刻まれた罅の一つ一つに茶色と朱色の胞子を隠している。
私は眠気を堪えようとする。 灰色の湖面は小波一つ立てないで、深く深く静かに丸くなって冬眠している灰色穴熊みたいに。 私はそっぽを向いている。 翠色と碧色が幾重にも重なる麦畑、幾重にも幾重にも幾重にも翠色と碧色が重なる。 私は苛立って爪を噛む。 紫色の霧が谷間から、手を伸ばすようにその舌で丹念に探るように、紫色を落とす。 私はふと耳を傾ける。 赤色の、あの山向こうのあの木のあの梢、あの鳥の、嘴の中、一番の赤色。 私は目を凝らす。 黄色の帽子は、むかしむかし、今はもういない思い出が冠っていた黄色。 私は嘘をつく。 藍色と云うには、少しばかり頼りない、あなたの手の甲を染めた藍色。 私は笑う。 全ての光を弾くので、何も映りはしない、私の目。 瞼を閉じる。 心ここに在らずと云う気持ち。 瞼を閉じる。 もう二度と… そうして、漸く呪文が完成した。 PR |
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